もしかしてゴッドハンド?なでるだけで腰痛が消えてしまったおはなし
こんにちは!
今回は、ゴッドハンドになってしまったときのおはなしです。
登場人物はIさんとします。
それはデイサービスでのおはなしです。
利用者さんにIさんという方がおられました。
Iさんは胸椎12番あたりから背骨が屈曲位に変形しています。
脊柱管狭窄症のため、神経圧迫症状よる下肢のしびれや運動障害があります。
病院での診察を受けても変形の原因は不明でした。
高齢者ではよく見られることです。(原因の多くは圧迫骨折です)
背骨が曲がっている影響で、いつも腰痛をうったえられています。
Iさんは「腰が痛くて毎日が憂うつです」と言われるくらいひどい状態でした。
わたしはIさんの腰痛を診る時間がつくれずに申し訳なく思っていました。
そんなある日のこと、業務のすきま時間に5分ほどだけIさんの腰痛を診ました。
姿勢の観察と触診しか検査ができず、その日は椅子に腰掛けてもらったままで軽擦手技(なでる)を施しました。
「こんなんじゃ何の効果もないだろなあ」って思っていました。
ところが次の日のことです。
Iさん宅へ訪問看護に行った看護師さんから、びっくりすることを教えてもらいました。
「横山さん、Iさんとっても喜んでおられましたよ!」
「長いあいだ何しても良くならなかったのに、こんなに痛くないのはじめてですと言っておられましたよ」
わたしは、「ええっ!?うそ?なんで?」てなりました。
そのあとIさんにも直接に「先生、こんなにからだが軽いの初めてです」と言われました。
わたしはなでただけなのに。とっても不思議でした。
そしてこう思いました。
「俺ってゴッドハンドもってるんや」
「なでるだけであんなに良くなったんなら、本気で腰を診たらもっとよくできるぞ」
そこでまとまった時間ができたときのこと、こんどはIさんにベッドまで来てもらいました。
もとに背骨の変形があるので、腰痛はどうしても再発します。
そしてこんどは念入りに検査をして、しっかりと手技を施したのでした。
「さあこれでさらに劇的によろこぶぞ」と思ってました。
施術が終わってからのIさんの反応は…
「うん痛み良くなったわ。ありがとう」
あれ?反応が薄い。
もっと劇的によろこんでもらえると思ったのに、なんで?
そのときはよくわかりませんでした。
高齢者になるとその痛みの原因は非常に複雑です。
関節の変形による姿勢や動作のゆがみ。
内科や外科疾患などさまざまな病気による影響。
意欲の低下、気持ちが落ち込んでいる。
すべてが入り組んで一筋縄でいかない症状ばかりです。
手技施術をおこなってもなにも改善しないことがよくあります。
そんな方でもお話しするだけで、うそのように症状が消えることがよくあります。
お話しするときはこう思います。
手技療法でよくできないのなら、せめてお話で元気になってもらおう。
こういう気持ちです。
そういった経験で見えてくるものがありました。
軽擦手技だけのときは、すこしでも腰痛が良くなればと5分の間に強い気持ちを込めていました。
それがベッドでの施術のときは、もっとゴッドハンドをみせてやるという気持ちでした。
治療をするときの気持ちが、相手を向いていたか、自分を向いていたか。
思いを込めていたか。込めていなかったか。
ここが最大のちがいでした。
ほんとうに不思議ですが、たったそれだけで効果がぜんぜん違います。
タッチケアを使うときなど、気持ちを込めるとほんとうに良いと思います。
でも今でも、なでただけであれだけよくなったことにはびっくりします。
やっぱりわたしはゴッドハンド?と思ってしまったりするときあります。(未熟)
今回はここまでで!
最後までお読みいただきありがとうございます!
みなさまに幸せが届きますように!
感謝!