「I’ｍ ready!いつでも準備はできているか」スウェットロッジファイアーキーパー

冬至のスウェットロッジセレモニーへと参加してきた。
冬至は太陽が一番斜めに傾く日だ。
太陽から与えられるエネルギーが一番低い時であるが、これからどんどんとエネルギーが増していく転換点でもある。
命の恵みの有り難さを一番感じやすくなるであろう冬至の日に、森羅万象のすべてへ感謝の祈りを捧げる。

私は今回のセレモニーに、ファイアーキーパーという役目を担うこととなった。
ファイアーキーパーとはスウェットロッジの中に入れる岩石に、火のスピリット(精霊)が宿りやすくしていく役目のことだ。
具体的には炎の中にある岩石が真っ赤になるように火守りをしながら、祈りのためのシダーやドラム、パイプ、命の水など求められればすぐに届けられるように準備して待つ。
スウェットロッジの中の体験は十回を越えるほどしてきたが、スウェットロッジの外の体験は今回が初めてだった。
スウェットロッジとは私たちの母なる地球の子宮をあらわしたテントの中で、胎児となってもう一度生まれなおす、生まれ変わりの浄化のセレモニーである。
母なる地球の子宮であるテントは女性性で、火は男性性である。
つまり女性性と男性性の融合で生まれ変わるのである。
炎を整えるファイアーキーパーは男性が務める。
男性はお産を見守ることしかできない。お産に必要なサポートをいつでもできるように準備をしておくことが男性の役割となる。
ネイティブ・アメリカンではどんな時でも、
「I’m ready(準備はできている)」
の状態でいることが大切なのだと教える。
どんなときも慌てずフラットな状態で悠々とお産のサポート役として役目をこなしていく。それがファイアーキーパーだそうだ。

炎は直径1.5mほどの大きさになり、高さは人の身長を軽く越える。
その炎のすぐ側に立ち、薪をくべたり、岩石にスピリットが宿りやすくするために燃えている薪を整えていく。
そしてスピリットの宿った岩石を鍬で掬いあげ、祈りを込めてテントの中まで運んでいく。
岩石を掬いあげるときには、炎のすぐ側でいたわりをもって鍬を差し入れる。
岩石はなかなか鍬に乗ってくれず、不安定で重さもあるためゆっくりとしか持ち上げられない。
炎の側に近づくたびに、むき出しとなっている顔に炎のエネルギーが当たり耐えられない熱さとなる。
衣服のある場所もやがて耐えられない熱さとなってくる。
火傷をするような感覚となって無意識に炎から逃げてしまうが、岩石を掬っているときは逃げられない。
どうすれば熱くならないか工夫をするが、炎のエネルギーはそのような工夫を容易く突き抜けてくる。
薪を整えたり、岩石を掬いあげるタイミングは一瞬しかない。炎はすぐに火傷するエネルギーを与えてくる。

炎のエネルギーを受けるうちに、炎を制しようとする”我”というものに気づく。
我を張って炎を支配するのではなく、祈りをもって炎と向き合いながら整えていく。
やがて炎と通じ合うような感覚となる。
そこに出てくる気持ちは感謝でしかなくなる。
やがて祈りのこもった動作となり、役目をこなすことができるようになっていく。
この岩石のエネルギーは、スウェットロッジの中にいる兄弟姉妹たちの生まれ変わりのエネルギーとなる。
良き生まれ変わりとなるようにその気持ちを感謝の祈りに込めて整えていく。

スウェットロッジが内だとするとファイアーキーパーは外になるだろう。
この世界は内と外であるがワンネスだと気づく。
内と外のあるワンネスだと気づく。
このような気づきをいただいたような気がする。
軽い火傷で小さな水脹れができ赤くなった顔にも感謝でいっぱいとなる。
ファイアーキーパーを通じての良きスウェットロッジの時間をすごさせていただいた。

24名が参加されました。大分や山梨、東京や名古屋から、家を持たず全国をキャンプで回る人も来られていました。

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